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【7月30日(日)日本の民俗4 第2回笹谷良造の民俗学】

【笹谷良造の民俗学】  ネコの民俗・子墓の問題・猿沢池・ムスビの信仰・酒と女性

朗読・解説 西村 博美(詩人・当研究所研究員) 日 時 7月30日(日)13:30~15:00(予定)     ※開場13:00

場 所 八木札の辻交流館     奈良県橿原市北八木町2丁目1番1号     ◆近鉄大和八木駅南口から徒歩7分     ◆JR畝傍駅から徒歩5分

参加費無料 申込不要 資料代200円

4年目となった公開講座「日本の民俗をきく」、いわゆる「民俗学」にとらわれず、さまざまな分野の「民俗的」な文献を取り上げ、今年は5月から隔月で計6回開催されます。

第2回目は、昨年「折口信夫の大和―生い立ちにおけるさびしさについて」を発表した西村さんが担当します。折口信夫にはたくさんの弟子がいましたが、奈良にも関わりのある人がたくさんいます。今回は、その一人「笹谷良造」を取り上げます。場所は、大和八木駅からほど近い「札の辻交流館」。暑い季節ですが、旧旅籠(市指定文化財・日本遺産)で午後のひとときを楽しみください。

----------  折口民俗学の正統を継ぎ、それを発展させようとした一人に笹谷良造がいる。今回は、折口学の「正統」とその「継承」とは何かについて、笹谷を通して探ってみたい。笹谷は、「古代民俗基礎論」と副題のある『神々の世界』のはじめのほうで、ムスビ(産霊)の神の信仰は見逃されやすいが、折口名彙として名高い「まれびと」や「常世」とともに、古代信仰を知るうえで不可欠なものだと言う。また、笹谷が残した一つの大きな業績に、国語学者としての豊かな語原論を見出すことができる。笹谷と同じ折口信夫の門にあった梅木春和は、笹谷には「民俗語彙に関する独自の感覚と見解に裏打ちされた発想法」があったことを指摘している。折口が学生時代の笹谷につけたあだ名は、「星田公」。ホシダコさんのじつにやさしそうな表情の写真が一枚、わたしの手許にも残っている。折口が亡くなったのは、昭和28年9月3日である。報に接した笹谷はその後、いく月も放心の日を過ごす。そうして翌年の10月、最初の記念的な論考「酒を捧げる女」(のち、『古代日本の民俗と生活』に所収)は、生まれた。 (西村 博美)


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