満員御礼 日本の民俗をきく2 第3回猟師の世界(早川孝太郎)
梅雨の晴れ間の7月12日、「日本の民俗をきく2」の最終回、「猟師の世界 猪・鹿・狸―早川孝太郎の作品から」には、大変暑い中をたくさんの方々にお出でいただきまして、改めましてありがとうございました。 ※当日のパンフレットPDFはこちらから
画家を志して愛知県から上京した早川は、柳田國男と高木敏雄が創刊した雑誌『郷土研究』に刺激を受け民俗の世界に足を踏み入れます。大正15年に折口信夫と出かけた長野県の「花祭」は、その後わが国初の民俗芸能のモノグラフとされる大著『花祭』として結実します。
前半生は民俗学の成果を次々と成し遂げて、日本民俗学のホープと目され昇龍の勢いを示し、農村更生協会に入った頃からは、民俗学会の主流から離れて活動をするようになった早川。民俗学者大藤時彦は「私は早川氏のように民俗採集に特異な才能を持った人を知らない。その採集報告は画家としての感覚がひらめいており、細密な記述は尋常の人にはとうてい真似ることのできないものであった。」と述べています。
今回取り上げた『猪・鹿・狸』は、『花祭』が完成する以前に刊行されたもので、残した数多くの著作の中でも、もっとも早川らしいのが動物に関するものといわれ、鋭敏繊細な感受性と観察力、さらにそれを絵や文章にしてゆく豊かな表現力が溢れています。平明で淡々とした筆致を通して情景や動物たちが生き生きと浮かび上がってくる様子を『猪・鹿・狸』のなかに辿り、あわせて人と動物との関わりについても考えるひとときとなりました。
途中ツバメも入ってきてしずかに話を聴いてくれていました^-^
公開講座は来年もバージョンアップして開催予定です。
詳細がきまりましたらHP等でお知らせいたします。